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竜也さん、誕生日おめでとう(≧∀≦)


遅いじゃ、ボケと言うツッコミは受け付けないからね!(何様)


てか、ロイヤルミルクティとレアチーズケーキでお祝いするつもりが、そんな時間取る暇もなく……いや、計画的に書いていけばいいだけの話なんだけどね(無計画、バンザイみたいな奴)そんなこんなで、駆け足です。

「なぁ」
「……」
「俺ってそないに、信頼ないんかなぁ」
「……」
「なぁ、どない思う?」
「……」
「なぁ、小島ちゃあん」
「……あぁっもう、うるさいわね!あたしはアンタみたいに暇じゃないの!」
「そんな言わんと、ちょっとくらい付き合ってくれてもえぇやん」
「聞くまでもないわよ」
「?」
「佐藤が水野に謝れば、それで解決よ」
「……なして、俺が悪者やねん。しかも、何でたつぼん絡み」
「違うの?」
「いや、違わへん事もあらへんけど……」
「だいたい、佐藤が誰かに何か聞いてもらいたいって時は、水野の事以外ないじゃない」
「……」
「それに、ここんトコの水野のヘコみ具合見てたら、アンタとケンカしたのかくらい察しがつくわよ」
「ケンカやなんやけどなぁ」
「じゃあ、何よ?」
「ン、せやから」
「……」
「俺に信頼があるかどうか、や」
「……そんなもの」
「ン?」
「初めっからないに決まってるじゃない」
「小島ちゃん……」
「何よ?」
「さすがの俺でも、ちょっと傷つくで?」
「あら、そんなデリケートだって、初めて知ったわよ」
「……」
「話はそれだけ?」
「もうえぇわ」
「そ?」
「聞く相手、間違ぉた」
「そうね。初めから…」
「?」



「水野に聞きなさいよ」



***


ぼんやりと、小島との会話を思い返しながら、手にしたサッカーボールを弄ぶ。
小島は──本人に言ったら、冗談じゃないと嫌がられそうだが──、俺にとって良き相談相手と言える。スッパリとしたその言葉は、本心を見据えているのだ。俺のものであり、そして、竜也のものを。


「敵わんなぁ」


苦笑いにも似た言葉を落とし、自分がすべき事を考える。
答えは、至って単純だ。小島に言われるまでもなく、その答えを知っていたはずだ。ただ……


「どうすればえぇか、解らん、か」


上辺だけの付き合いばかりの俺にとって、多分、竜也は一番向かない類いの相手だ。
風祭のような、自分にも他人にも、嘘を求めない人間ならば、もっと簡単だった。だけど、そうじゃない。


「カッコつけ、やからなぁ」


不器用に、嘘を吐く。バカみたいな強がりばかり、して見せる。そして、俺の嘘に、頷く。物わかりの、良いフリをする。その表情が、傷ついてる事に気づきもせずに……
無意識に動いた指先が、髪をかき混ぜる。
見慣れてしまった、何かを諦めた笑い顔を思い出し、表情を苦く歪める。そんな顔を、させたかった訳じゃ、ないのに。ただ、ただ俺は……


「守りたかったんや」


だけど、守り方など、知らなかった。嘘を吐く事しか、知らなかった……
不意に、ドアの開く音がする。惹かれるように視線を向ければ、荷物を抱えた竜也の姿があった。


「お疲れさん」
「!何だ、シゲか。まだいたんだ」
「何だって何やねん。一緒に帰ろ思って、待ってたんに」


口唇を尖らせて見せると、珍しいと竜也が笑う。雨が降ると軽口を叩きながら、ゆっくりとした歩調で、竜也が俺の傍までやって来る。


「一人だったのか?」
「いんや。さっきまで小島ちゃんもおったで」
「小島?」
「そ。こぉんな顔して、予算が足りんて言うてた」
「お前な……小島に言いつけるぞ?」
「止めてや。マジで殺されるわ」


しかめっ面になる俺に、竜也がもう一度、短く笑う。
仏頂面が多くて、取っつき難い雰囲気が、柔らかくなる。こんな瞬間を知る人間は、きっと数える程しかいない。人付き合いのヘタクソな竜也が、気を許せる僅かな人達。
その全てを知る訳ではなかったが、少なくとも、俺の周りにいる人間で言えば、竜也に誠実な人間ばかりだった。その中で、どうして竜也が俺を選んでくれたのか、解らない……




竜也、と。
名を呼んだ。




何事だと、竜也が首を傾げた。


「あんな…」
「ン?」
「……お願い、聞いてくれへん?」


竜也が、訝しげな顔をする。そんな竜也を見つめたまま、俺は言葉を探す。


「大した事や、ない」
「……」
「ただ……ただ、俺の言うた事を、繰り返してくれるだけで、えぇんや」


訝しんだ表情のまま、答えを返せずにいる竜也に、お願いだからと、繰り返す。


「言うてや」



息が、詰まりそうだと、思った。
バカみたいに脈打つ鼓動が、身体中に響く。
喘ぐように、息を吸い込み、言葉を、吐き出した。


「……俺の」
「……」
「俺の事」
「……」





「信じて」





竜也の、息を飲む音が、聞こえた。そして、惑ったように、表情が歪む。
口唇が、震える。しかし、言葉は出て来ずに、表情ばかりが、迷いを増して行く。
手を、伸ばした。持ったままだったサッカーボールが、軽い音を立てて、コンクリートの床を転がる。
両の手のひらで、竜也を捕まえた。竜也が、逃げないように。竜也から、逃げないように。


「俺は、嘘つきやし、全然信頼とかあらへんけど、これだけは、言えるんや」

どうしようもない俺が、唯一、誇れる事。

「竜也の事が、大事や」

どんな時も、ブレる事のなかった想い。

「お前の事だけは、何があっても……」


小島の言葉が、甦る。
見落としていた、単純な言葉。





『初めから、水野に聞きなさいよ。
まぁアンタの場合、信頼あるとかないとか言う前に、言わなきゃならない事があると思うけどね。
解ってると思うけど、水野鈍感なんだから、ちゃんと言いなさいよ。アンタが水野を……』





「竜也の事、信じてる」





君に、願う。
俺の事など、信じてくれなくていい。
ただ、知っていてもらいたい。
誰より、君を信じていると言う事を……



***


「お疲れさま」
「あぁ、お疲れ」
「……」
「?何だよ、小島」
「ん、いやぁね」
「?」
「佐藤と仲直りしたみたいだなって思ってね」
「ッ!」
「良かったわ。早めに仲直りしてくれて」
「……別にケンカしてた訳じゃ」
「似たようなもんでしょ」
「……」
「大体、アンタ達が何かやってると、こっちが迷惑するのよ」
「それは……悪かった」
「まぁ、いいけど。それで」
「?」
「解ったの?」
「……まぁ、な」
「……ちょっと、ノロけないでくれる」
「ノロっ……聞いたのは小島だろうが!」
「あぁ、やってらんないわよ」





誰よりも、
君を、信じてる。


fin.


支離滅裂過ぎて、申し訳ない orz
密かに、有希ちゃん書いてるのが一番楽しかったわ(笑)

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